夫と家庭内別居が始まり私の中で離婚への決意が固まったとき、これからも子どもたちをひとりで育てていく覚悟とともに長男へ発達障害であることを伝えました。
長男が高校2年生、17歳のときです。
次男には中学1年生、13歳のとき。
三男にはまだ伝えていません。
告知は人格形成ができてから
< 当初の母の気持ち >
私は、普段から病気などに対しては早期発見早期治療がいいと思っていました。
発達障害も障害と名前がついているけれど、本人が早いうちから特徴と傾向を知っておくことで一緒に対策を探しやすくなる。
だから、知るのは早ければ早いほどいいのでは?と。
そうすれば叱られる場面も減り、結果的に本人の自己肯定感があがる、と。
それで、長男が検査で発達障害が分かったときに、すぐ本人に伝えた方がいいと思いました。
当時、私が見聞きしていた発達障害の子を育てている親御さんも、親子でオープンにしていてとてもいい親子関係を築いているように感じたし。
けれど、ドクターの意見は違っていました。
< ドクターのアドバイス >
小さいうちはまだ人格形成が出来上がっていない
人格形成が出来上がる前に伝えたら本人が受け入れられないんですよ
だから人格形成できるまで待ったほうがいい
それがドクターの言葉でした。
長男の発達障害が分かったのは8歳の頃。
人格形成は個人差はあるものの、およそ10歳前後に出来上がるらしいです。
ドクターからは、息子さんはだいたい2学年下のお子さんと同等と思って接してくださいと言われていました。
できるところは逆に1、2学年上だな〜と思うところもあるのに…
とすると、伝えるなら12歳以降ということになります。
ドクターからは具体的な年齢の指示はありませんでしたが。
< 時期を待つ >
私としては、本人が事実を知って、前向きに生きていって欲しかったのです。
自分の得意・不得意を知った上で。
人と違ってできないこともあるけれど、それはあなたのせいではないし、いいこともたくさんあると。
けれど、前向きにとらえられるかどうかは本人次第だなと思い直し、ドクターの指示に従って長い間伏せていました。
支援学級へ通うと決めたときも、本人には発達障害だからとは言わず、楽しい修行だよと伝えることにしました。
伝えるときの注意点とタイミングの見極め方
いよいよその時が近づいてきて、タイミングを見はからいながら、伝えるとき気をつけるポイントなどを考えていました。
< 伝えるときの注意点 >
実は、どう伝えるべきかについてはネットで事前に調べていました。
大事なのは事実を伝えたあと、変わらず愛していること、これからもずっと味方であり続けるよと穏やかに話すことだと。
< 伝えるタイミングの見極め方 >
長男は高校2年生になって、中学で不登校だった学校もまた通えるようになっていました。
受験生でもなく、生活環境としては私と夫が家庭内別居をしているという点を除けば安定している。
むしろ離婚となればこれから環境がガラッと変わり、精神的に落ち着かなくなることもあるかもしれない。
本人の心配ごとが少なく、生活環境が落ち着いているときが最適。
伝えるなら今だな、と思いました。
そして2人きりのとき、本人に発達障害であることを伝えました。
気持ちが暗くならないよう、お天気の良い日の午前中にしました。
間もなく、中学1年の次男にも伝えることになりました。
次男には年齢的にまだ少し早いと思ったけれど、中学で固定の支援級へ通うことになったことで本人が強く知りたがったため。
告知の様子とその後
< 高校生:長男の場合 >
まず夫と家庭内別居に至った経緯、夫も発達障害だと思うこと、そして長男にも似ているところがあるということを話しつつ、発達障害であることを伝えました。
長男は淡々と聞いていました。
そして、実は自分が発達障害だということは薄々気づいていたと返事をされました。
自分にも父親と似たところがあるということが分かっていて、嫌悪感を抱いているようでした。
そこで、私は父親と決定的に違う点を伝えました。
それは、父親の場合は発達障害の傾向があることをかたくなに認めていないことです。
父親が受けた簡易検査の結果の総評を見て、私はすぐにピンと来ました。
発達障害と結びつく説明がそこかしこにあったからです。
子どもたちが発達障害だったので、他の人より発達障害の特徴は分かっています。
受け入れるのは確かに辛いことだと思います。
それでも、受け入れたら次にどうすればいいか、何が必要なのか一緒に考えられます。
長男には、受け入れるだけの強さがあったのだと思いました。
私は、長男のことを誇りに思っている。
だから、父親と似ている自分を嫌いにならないで欲しい。
似たところがあったとしても、あなたはあなただよ。
全くの別人。
受け入れてる時点で、立っている場所も見えている景色も全然違うと思う。
そういうことを伝えたと思います。
長男の父親に対する嫌悪感を私には消せないけれど、父親と自分を一緒に感じないようこの後も勇気づけていこうと思いました。
ちなみに、最近ではすっかり発達障害であることを明るく受け入れて、自分でも発達障害についてよく調べているようです。
だから、できないことがあったときにこれは発達障害のこういう特性のせいだ、と細かく説明したりします。
そして、だからできないのは仕方ない!とわざと冗談で言ったりもするうようになりました。
知識量ではだんだん母の方がかなわなくなりそうです。
最近は進路のことで『発達障害の人に向く職業』などと、自分で調べてもいるようで頼もしいです。
< 中学生:次男の場合 >
次男には本当はもっと後で伝えようと思っていたのですが、次男の方から発達障害についていろいろ調べたうえで、自分もそうなのか?と何度も聞かれました。
中学1年、13歳のときです。
違うとウソをつくわけにもいかず、グレーゾーンについて説明したうえで、かなり薄いグレーゾーンにいると思うと伝えました。
長男と違い、次男は自分が発達障害だとは思いたくない、受け入れたくない、という思いが強く見えていたので、なるべくソフトにと心がけました。
次男は本当に、長男とはまたタイプが全然違うんですよね。
対人関係も比較的いいし。
ただ、表面上は見えにくいだけで精神的にすごくがんばって疲れてしまっていることもあると思います。
不登校の原因も、そのあたりにありそうです。
次男は話してすぐというより、日々の困難に直面するたびに少しずつ発達障害の傾向があることを受け入れていっている感じです。
まとめ
発達障害であることを本人に伝えるタイミングは、ドクターや療育の指導員さん、学校の先生などと相談するのがよいと思います。
また、伝える側が明るいイメージを持っておくこともよいと思います。
短所は長所でもあるから。
本人が苦手としていることは、別の角度から見たら強みにもなる。
そんな風に、かかわる側が見方を変えて味方になってあげることができたら、きっとうまく行くと思います。
ダジャレ言ってる場合じゃないけど。
明るく行こう!
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